第6話・みっつ、冷静と狼狽のあいだ

 前回までのあらすじ
 指導室での誕生パーティ中に怪我をしてしまったみっつ。なんとか、止血してもらったものの、傷は見るからに深い。みっつは、その彼女「ぺ」に伴われて医務室へと向かったのだが・・・。

 医務室へと急ぐ、みっつと「ぺ」。気が動転してる「ぺ」を尻目に、みっつは妙な冷静さを保っていた。
 しばらく歩いてた2人の前にズッキーが救急箱を持ったオバサンを伴って現れた。
 ズッキー 「みっつさん。大丈夫ですか?」
 みっつ 「あんまり、大丈夫ではないね~。」
 オバサン 「どれ、傷を見せてごらん。」
 どうやら、このオバサンは医務室の人ではなく事務の人らしかったが、手馴れたもので止血に使った輪ゴムを見て、
 オバサン 「上手く、止血できてるね~。」
 と、コメントしたり、話し好きなのか、みっつを安心させようとしてるのか、良く喋っていた。その中に、ジョークを交えながら話すので面白いオバサンであった。
 だが、輪ゴムをハサミで切る時に、
 オバサン 「安心して~、指は切らないから。でも、これで指まで切ったら笑ってしまうね~。」
 と、ブラックジョークを混ぜてくるので、みっつは思わず笑ってしまいそうであった。
 そして、包帯をみっつの手に巻いていった。それから、
 オバサン 「病院に行ったほうがいいから、家の人に電話しな~。」
 というので、みっつは携帯で家に電話した。そして、簡単に母上に説明していたが、途中でオバサンが代わってもくれて詳しく説明をしてくれたのだが、その中で
 オバサン 「指をナイフで切ってしまって~。」
 と言うので、
 (ケーキナイフって言って!誤解するじゃん!)
 と、みっつは内心で叫んでいた。
 すると、電話が終わったオバサンが、
 オバサン 「携帯って、便利だね~。あたしも持とうかな~。」
 と、また愉快な発言をするのでみっつ達は苦笑してしまった。
 結局、最寄の病院に向かうことになり、ズッキーには指導室に戻ってもらい、みっつの「ぺ」の2人は学生課の人の車で病院へと向かった。

 病院に到着して受付で看護婦さんに、
 みっつ 「あの~、大学から連絡があったと思うんですけど~」
 看護婦さん 「え?なにをですか?」
 と、言われ軽く狼狽するみっつだったが、どうやら話は通してもらっていたらしく、
 看護婦さん 「席に座ってお待ちください」
 と、言われたので2人は席に座って待つことにしたが、
 ぺ 「大丈夫~?ほえほえ」
 と、「ぺ」が心配してくれていたので、みっつは心配しないように冷静に勤めながら病院にあるnumberや週刊少年ジャンプなどの雑誌を読んでみせていた。
 どうやら「ぺ」は、
 (可愛げがねぇな~、このクソガキが!)
 と、心中穏やかではなかったようである。(笑)
 だが、みっつは彼女に心配させないような配慮のつもりと書けば聞こえはいいが、実際には病院に行ってから診察室に行くまで30分は待たされてしまい、
 (マジで急看かよ!)
 と思わずにはいられなかったので、普通に暇つぶしを図ったものであった。
 30分が経過して、ようやく診察室へと呼ばれたみっつは「ぺ」に、
 みっつ 「母上が来たら相手していて~。」
 と、言い残し去っていった。
 そして、診察室でお医者先生に事情を説明したら、
 お医者先生 「じゃあ、縫いますか。」
 の一言で、オペ開始。
 と言っても、15分もしない内に終了してしまった。
 外に出たみっつを「ぺ」が出迎えるが、まだみっつの母上は現れていないようだった。
 ぺ 「みっつのお母さんは写メールで見ただけだから、違う人に話し掛けてしまっただよ。にょほほほ」
 みっつ 「ほ、ほう。あ、母上だ。」
 そこにタイミングよく母上が登場。
 軽く事情を説明していたら、「ぺ」が大学の事務に連絡するようにと、受付の人に診察中に言われたらしく番号を書いたメモを渡してくれた。
 みっつは、その場で電話を始めたが、そこは病院内なので、看護婦さんに注意を受けてしまった・・・。
 というのも、この時のみっつは外見ほど冷静ではなく、内面は焦燥感だらけだったのだった。
 先ほど、大学内で母上に電話したときも、
 オバサン 「お母さんはご在宅?」
 みっつ 「いえ、今は仕事から帰宅してる途中だと思うんですけど~。」
 などと、コメントしているが、家を遅刻して出るときに母上と会って、普通にご飯を食べ、今日は休みと聞かされていたのに、それが忘れ去られてしまうほどに狼狽していたのである。
 とりあえず、話を戻すと、大学への連絡も済んだみっつは、
 みっつ 「母上~、お腹すいたよ~。」
 と、困ったちゃんと化していた。(笑)
 まぁ、折角買って来たケーキを寸前で食べ損ねたので、それも仕方ないのだが・・・。
 母上 「なら、どっかで食べてく?」
 みっつ 「ほんとに!やった~。」
 と、外食する事が決定してしまっていたのだった。

 とりあえず、無事に手術を終えたみっつでしたが、次回は母上と「ぺ」を交えたディナーに突入!一体、どうなることやら・・・。
 という訳で、次回の第7話「みっつ、お肉食べづらい」にご期待ください!

※お詫びと訂正
 なんだかんだで、第6話「みっつ、お肉食べづらい」の予定が、話が膨らみすぎて、第7話にスライドしてしまい申し訳なかったです。
 いちお、お詫びと訂正として書いておきます。

※この物語は事実を元に構成されたノンフィクションです。
           [総監督・原作・監修] 海ちゃん
           [脚本・シリーズ構成] みっつ


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